確定申告のはなし 2018年度編 | 副業の雑所得が20万を超えてしまったとき

2018年度の確定申告

ありがたいことに2018年はコーディングやイラスト制作での副業の雑所得(収入から経費を引いた額です)が20万を超えました。副業20万超えで確定申告をする場合の知見が検索してもなかなかでてこなくて混乱しましたが、手探りでやるだけやったのでそのメモです。

この年の状況

  • 1〜3月までA社に勤務
  • 4、5月はフリー
  • 6月から派遣社員としてB社に勤務
  • 4、5月のフリー期間が契機となり、この年からイラストやコーディングなどの仕事を請けるようになった(副業)
  • 年末調整は派遣会社でしてもらった

経理ソフト

この数年前から経理の勉強も兼ねて経理ソフトを使い始めました。本当は簿記の資格を目論んでたのですが、難しくて経理ソフトに着地した形です。

やよい会計オンライン

どの経理ソフトを使うか各人の好みになりますが、私は数年前から「やよい会計オンライン」を使っています。

オンラインサービスの利点は、PCからでもスマホからでもさっと使えるため、領収書の記入など溜めずに済みます。経理の知識があまり無くても、画面内で小遣い帳感覚で入力していくだけで進められるのもうれしいポイント。

また、兄弟サービスで見積書・納品書・請求書作成サービスの「misoca」を使えます。バックオフィス作業に不慣れだと、請求書を作るのも「え?どういう体裁??何をどう書けばいいの??」となって無駄に時間を浪費してしまうので、こういう便利なサービスは使い倒していきましょう。

freee

私は移行が面倒臭いこともあり、やよい会計を使い続けていますが、freeeも評判いいですね。請求書等も作れるし。ていうかサイトデザインのテイストが好み。

マネーフォワード クラウド確定申告

個人事業主をピンポイントでターゲットにしています。

口座とクレジットカード

普段生活で使っている口座とクレジットカードとは別に、副業専用のゆうちょ銀行の口座とクレジットカードを作って仕事に関係する振り込み・支払いをまとめています。
通帳記入をすれば振り込まれた日と振り込んだ先の名前が並ぶので、後で見返しても分かりやすいです。
クレジットカードの明細も(必要かどうかは別として)ダウンロードしてデータをまとめています。

クレジットカードはフリーランスになると審査が厳しくなると聞いたので会社にいるうちに作りました。


クレジットカード作るときにポイント狙いでどれにするか選ぶこともできたんですが、私は見た目だけでこれにしました。もちろんシルバーの方です。デザイン重要!(いつの間にか年齢制限できてるんですね)

会計ソフトと仕事用のクレジットカードを連携させると楽らしいんですが、まだそこまでは導入していません。

収入があったとき

白色申告では「現金主義」といって、お金の受け渡しがあったときを収入の日付にできます。
(例:○月△日にA社から振り込まれたら、○月△日 売り上げ A社 イラスト制作 ○○円のように)
忙しくても忘れないうちに会計ソフトに記入します。

青色申告になると、納品した日だか請求書発行日だかが売り上げの日になり、振込日とズレて経理初心者にはややこしいことになる「発生主義」になります。

自分が発行する領収書はexcelで作成してプリントしていますが、作った分のデータは全て残し、また控えも一緒に印刷してまとめています。
恐怖の税務調査に入られても、そのまま渡して説明できるようにしています。

領収書はウソを書かない

当たり前のことですが自戒として。
過去に助成金絡みのお仕事を個人的に受けた際、「金額を10万円で領収書を書いてほしい。今5万円払う。残りの5万円は後で払う」と言われ、先方が用意した複写なしの領収書に素直に金額を書いたのですが、その後残りの5万はもらうことはありませんでした。
作成したWEBサイトも公開せずにテストアップで助成金を出す団体に見せたっきり案件は立ち消え。
そのときは雑所得はとても20万に届かない状態でしたし、残り5万取りっぱぐれたくらいにしか思ってませんでした。
今考えると、助成金詐欺に利用されたな……と反省しています。無知は良くないですね。10万という金額なのに印紙も貼らなかったし。もしその年に私が雑所得20万超えていたら、もらってない5万円分も(領収書を発行したからには)収入として税金かけられていました。おっかね!
その件があって以降は「確定申告してます!」と明言して、相手の用意した領収書ではなく自分で領収書を発行するようにしています。

支出があったとき

ここで経費計上です。もちろん仕事に関するものに限定します。
私の場合……

勘定科目 内容
租税公課 5万以上の領収書を発行したときの印紙代
広告宣伝費 自分の名刺制作費
このサイト用のレンタルサーバー費&ドメイン代
外注工賃 難しいコーディングを友達に頼んでやってもらったり、印刷会社に支払う印刷費を私の方で支払った場合にこの科目になります。
仕入 こちら側で立て替えた印刷費
ストックフォトなどの素材代
減価償却費 iPad pro & appleペンシル代(一度の購入で10万を超えるもの)
旅費交通費 仕事や打ち合わせに出たときの交通費や宿泊費
(地下鉄やJRは領収書が出ないので100均で買った出金伝票に日付・ルート・金額をメモります)
交際費 仕事で打ち合わせに出たときの手土産
打ち合わせ時の飲食費
研究開発費 css niteみたいなセミナー参加費
新聞図書費 デザインやWEB関連書籍
通信費 検証用のタブレット端末の通信費
領収書を発送する際の切手代
Adobe CCやOffice soloなどのオンラインサービス代(消耗品費かも)
会議費 コワーキングスペース(ドロップイン)
電源を求めてカフェで仕事したときの飲食費
消耗品費 プリンター用インクカートリッジ
印刷用紙
文具・画材
雑費 PCチェア
PC周りのサプライ
(科目に迷ったらここに入れてる)

といった感じで計上しています。
個人事業の場合は勘定科目を厳密に正確にまとめなくても、何に使ってちゃんと記帳しているかが明確なら問題ないようです。

電気代、家賃、インターネットサーバー代など、家事按分するところは、白色申告と青色申告とで扱いが異なるようです(青色なら問題なし)。白色の場合はネットで調べても家事按分できる説と家事按分できない説があって、どうもできない説の方が優勢のようです。詳しくは、専門家で責任とってくれる人に相談してみてください。

レシート(領収書)の整理

収入が伸びてきたら税理士さんに相談してガチッとやるんでしょうが、私の場合は個人で、かつ副業の範囲なのでそこまでレシートは溜まりません。
だからといって、ひとまとめにしたら煩雑になり、確定申告時期の確認も大変です。

そこで、「1・2月」「3・4月」・・・というように封筒、あるいは小型のクリアファイルを用意し、そこに収納していきました。
科目ごとに分ける人もいるようですが、私の場合、時期で分けた方がやよい会計と照らし合わせて振り返りやすいという判断です。ここは各自のやりやすい方法で整理したらいいと思います。

初めてのe-Tax?

2月中旬に入り、いよいよ確定申告の時期に突入。
この時の勤め先の近くで、e-Tax用のID・パスワードを発行してくれる税務署の出張コーナーが期間限定でできていたので、発行してもらいました。

確認作業

これまでまとめていた領収書、請求書、やよい会計に入力したデータを、通帳と見比べながら漏れがないか確認します。副業レベルの私でも目がくらむ作業で、本業でやってる人達、そりゃ税理士さんにお願いするよな〜としみじみ。ちゃんとやってきたつもりが日付がズレていたり、経費をやよい会計に入力漏れしていたり、ちょいちょいミスがあります。
どうにか雑所得20万以下にならないかとノートPCの購入を検討したり、売り上げはあっても手元にお金が無い不思議な現象(ありがち)で諦めたり。


上記freeeの「副業の税額診断」で計算しては住民税が上がることに慄き、もっかい計算してみてはやっぱり住民税が上がることに慄き。

ま、諦めました。

申告作業

前年までは書類を郵送するパターンだったので、初のe-Taxでドッキドキしながらサイトで入力を進めます。しかも、やよい会計など会計ソフトを使っていればそのまま確定申告に使えるデータをまとめてくれる設定も、副業の場合は本業の収入をどこに入力/記載すればいいのかなど不安になり、結局やよい会計のデータは確認用として、各項目の数値を手入力しては指差し確認していきました。
アナログで確認していけば確実性が増すわけでもないんですがね……。
ドキドキし過ぎて、2019年にもなって「IE使え」という税務署に悪態付く余裕もありませんでした。

19.09.19追記:freeeでまさにそういうパターンの対応を2018年度から初めていたんですね。今知りました。。2019年度は20万超えない見込みですが、移行しようかなぁ。


良い点でもあるのですが、e-Taxはプリントアウトする必要も、各領収書や源泉徴収票をのりでペタペタ貼っていく必要も、封して郵送する必要もなく、「データを保管しておきましょう」なので終わったあとのスッキリ感が無いという(苦笑) 提出してからもしばらくはハラハラしていました。

その後

6月くらいかな(うろ覚え)、住民税・所得税額が決まり、振り込み用紙が郵送されてきます。会社で給与引き落としにしている場合は会社の経理の方に届くようです。
転職前の会社の給与所得の申告が間違っていたようで、年末調整と確定申告で二重の申告をしてしまっていました。そのため結構な税金の額をくらって途方に暮れていたのですが、数ヶ月後に税務署から金額を訂正した振り込み用紙が送られてきました。ちゃんと精査されているんですね。私のミスでお手数をおかけしました。。

年末調整をしてもらっていて副業の方を確定申告する際の、申告書の記入方法は以下サイトが正確だと思います。
2019年度の確定申告の際は参考にします!


おまけ:2017年度までの確定申告

国境なき医師団、UNHCRへの寄付およびふるさと納税をしている関係で寄付金控除の申請をする必要があり、毎年確定申告はしていました。

20.11.18追記:寄付控除等、確定申告自体しない場合は、副業の分の収入を税務署ではなく役所で「市・県民税申告書」を提出し住民税の申告をすることになります。

会社で年末調整をしてもらっていた場合

年末調整後に渡される源泉徴収票、他社から送ってもらった源泉徴収票、大体1月2月に各任意NPO団体から送られてくる寄付金の領収書と、ふるさと納税の場合は納税後に各自治体からお礼のお手紙とともに送られてくる領収書とまとめておきます。
確定申告に不慣れな場合は税務署に行けばスタッフの方に何をどう入力すればいいのかやさしく教えていただけますし(締め切り間際の土日は激混みなので、2月中に行くことをお勧めします)、慣れてきたら国税庁のサイト 確定申告書等作成コーナーから自分で数値を入力して進めると家で申告できるので楽チンです。
e-Taxじゃなくても、数値入力後に書類をプリントアウトして領収書等をのり付けして郵送すれば、オンラインで確定申告を進められます。

ちょうど無職で年末調整をしなかった場合

その年に働いて給料をもらった会社から源泉徴収票を貰います。短期や中期のバイトの場合、給与支払い時にもらってると思います。ケンカ別れして辞めた職場に連絡するのはやはり気まずいので、できれば穏便に辞めるのがいいですね。嫌がらせで源泉徴収票を発行してもらえない場合は税務署に相談しましょう(まれに給料現金手渡しで源泉徴収票という概念のない業種もあったりしますが……)。
イラスト制作などで源泉を引かれていた場合も会社に連絡します。会社によっては源泉するかしないか先に聞いてくれるとこもありますが、源泉をしない意味がよく分からないので源泉してもらっています。
寄付金の領収書もまとめておきます。
各控除も自分でする必要があるので、支払った国保や年金の支払い証書、年明け前後に保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」等を大事に保管しておきましょう(病院によくかかる人は病院のレシートも)。
年末調整をしてもらっていた場合と異なり確定申告時の入力作業は増えますが、基本的に返ってくる額も大きくなるので頑張りましょう。