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Illustrator アピアランス研究① | テキストをアピアランスでリボン化する − シンプル編

進化し続けるAdobe Illustrator。8.0時代の人間は途中から全然付いていけなくなってしまいました。
だったら勉強して使えるようになろう!というシリーズです。

イラレのアピアランスを使うときのお約束

  1. デフォルトの塗り、線の指定(ツールバーの下で設定できるやつですね)は「なし」にしておく
  2. 塗り、線の指定はアピアランスで指定する

実はとても重要なので書いておきます。煩雑なデータの作り方は避けて、シンプルで明快なデータ作りを目指しましょう。

まずは普通の座布団(単純なリボン)をアピアランスで作ります

以前のやり方

アピアランスで「塗り」を2つ設定します。下の「塗り」が座布団の色、上の「塗り」が文字色になります。
アピアランスは下から上へ順番にかかるので、下の「塗り」を選択した状態で、メニューの「効果」から「形状に変化」→「長方形…」を選びます。この長方形の効果はテキスト自体ではなくバウンディングボックスにかかるため、ちょっと長方形がズレてしまいましたね。
もう一度下の「塗り」を選択して、「効果」→「パスの変形」→「変形…」で垂直方向にマイナスで移動させて位置を調整します。

最近のやり方

同じくアピアランスで「塗り」を2つ設定します。下の「塗り」が座布団の色、上の「塗り」が文字色になります。ここまでは以前のやり方と一緒です。

テキストを選択した状態で、「効果」→「パス」→「オブジェクトのアウトライン」を選びます。この効果をかけることで、バウンディングボックスではなくテキスト自体の周りに長方形をかけることができます。
下の「塗り」を再度選択して、「効果」→「形状に変化」→「長方形…」を選ぶと、ズレることなく座布団が現れました。

最初っからバウンディングボックスではなくテキスト自体に効果かけてくれたらいいのにと思いますが、アルファベットの小文字のためにこんなことになってるんでしょうね。

「オブジェクトのアウトライン」は、リボンの塗り設定自体にかけてもここでは問題ないのですが、影を付けるなどもうちょっと複雑なことをしてく場合に全体に一括でかけていた方が楽だと思います(アピアランスで一番上に位置している状態)が、ケースバイケースですかね。

1. ただの長方形座布団

テキストに「効果」→「パス」→「オブジェクトのアウトライン」、座布団の塗りに「効果」→「形状に変化」→「長方形…」

この座布団にさらに効果をかけてリボンっぽくします


鈴木メモさんのブログを参考に、一枚もののリボンを作ってみます。

2. 1に影をつけたもの

1の続きで、一度アピアランス内の選択を解除して、「効果」→「スタイライズ」→「ドロップシャドウ」。ここでは「ドロップシャドウ」の「ぼかし」を0にしています。

3. 2の右側だけリボン状に

2の続きで、座布団の塗りを選択した状態で、「効果」→「ワープ」→「下弦: 垂直方向 カーブ -50%」をかけます。右側がアーチ状に凹むので、このアーチを直線的になるようにします。続けて、座布団の塗りに「効果」→「パスの変形」→「ジグザグ: 大きさ 0、折り返し 1、ポイント 直線的に」 をかけると、ハサミで切り込みを入れたようになります。

4. 2を両サイドリボン状に

2の続きからやりたい場合

2の続きで、座布団の塗りを選択した状態で、「効果」→「ワープ」→「でこぼこ: 垂直方向 カーブ -50%」をかけます。両サイドがアーチ状に凹むので、「効果」→「パスの変形」→「ジグザグ: 大きさ 0、折り返し 1、ポイント 直線的に」 をかけると、両サイドリボン状になります。

3の続きからやりたい場合

今度は座布団の塗りに「効果」→「ワープ」→「上弦: 垂直方向 カーブ -50%」をかけます。左側もアーチ状に凹みました。先ほどかけた「ジグザグ」の効果を「ワープ: 下弦」「ワープ: 上弦」の下にドラッグすれば、両サイドリボン状になります。

5. 4をウェーブ状に

4の続きで、一度アピアランス内の選択を解除して、「効果」→「ワープ」→「旗...: 水平方向 カーブ -35%くらい」をかけます。この時点で文字にしか効果がかかっていません。「オブジェクトのアウトライン」の下にある「ワープ: 旗」を「ドロップシャドウ」の上までドラッグして座布団の「塗り」よりも下に位置させます。

下図のように、テキストを増減しても、改行してもウェービーなリボンの形状を保っています。

6. 4をアーチ状に

4の続きで、一度アピアランス内の選択を解除して、「効果」→「ワープ」→「円弧...: 水平方向 カーブ 15%くらい」をかけます。この時点で文字にしか効果がかかっていません。「オブジェクトのアウトライン」の下にある「ワープ: 円弧」を「ドロップシャドウ」の上までドラッグして座布団の「塗り」よりも下に位置させます。

こちらも下図のように、テキストを増減しても、改行してもアーチ状のリボンの形状を保っています。

まとめ

バナー作成などでよく使うリボンですが、後からテキストが変更になったり文字数が変わったりすることが多く、その度にリボンのサイズ調整など工数がかかってしまっていました。このやり方を覚えておくと修正も楽だし、バリエーションも簡単に作れるので良いですね。

Illustratorのアピアランスについて詳しいサイト

アピアランスの教則本かな?ってくらい、各機能や順番による効果のかかり方の違いなど丁寧に解説されています。

イラレ勉強界のキング! 鷹野さんの解説です。実際の作業に沿った明快な図解はさすが。

実際にAIファイルを見て触って理解したいという方にはこちらがオススメ。同じく鷹野さんによる解説記事とAIファイルのダウンロードがセットになっています。有料ですがそんだけの価値はあるかと。