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Illustratorの不透明マスクを使ってイラスト制作に活用できるかな

IllustratorのTIPSが賑やかな昨今ですが、あまり皆が使わない機能「不透明マスク」。
特にDTP業界の人は印刷に不具合を起こしかねない使用NG機能としてスルーしてきたんじゃないでしょうか。

今回はその不透明マスクを使って、PhotoshopやiPadで描いたような↓こういう表現(木炭等のザラッとしたブラシで影になる部分を描いたような言語化が難しいやつ)をIllustrator/ベクターでやっちゃいましょう!

おさらい:不透明マスクって何に使えるの?

ざっくり言うと、不透明マスクを使うことで元オブジェクトに「白:不透明度0%←(グレー:不透明XX%)→黒:不透明度100%」でマスクをかけることができます。

ベーシックな使い方 その1:画像をぼかしかけた感じで切り抜く

IllustratorでWEBデザインやバナーデザインをしている人なら使ったことあるかも?

ベーシックな使い方 その2:かすれた表現

グランジっぽい表現やハンコ絵っぽい表現をしたいとき。むしろこっちの方で使われるパターンが多いかも。
(上図と参考サイトでは白と黒が逆になっちゃいました・・)


本題:イラストで使うよ

冒頭に出てきた鯛の、体の部分を例にします(PNGを軽くしたらグラデーションのトーンが潰れてしまいました……)。
ちょっと複雑なので、下で詳しく解説します。

ベースとなる色と影となる色を用意する。

まずベースとなる色のオブジェクト①と、その前面に影となる色のオブジェクト②を用意します。

「command + F」のワンポイントTIPS

Macならcommand + C(コピー)から、commandキーを離さずにFキーを押すと、該当オブジェクトの直前にペーストされます。
commandキーを一度離して、command + F(前面にペースト)をクリックすると、全てのオブジェクトの最前面へペーストされます。

②に不透明マスクをかける

②を選択したら「透明パネル」を開き、「マスクを作成」をクリックします。
「クリップ」にチェックが入っている場合はチェックを外してください。

「透明パネル」内にサムネイルの枠が2つありますが、この右側のサムネイル枠を選択します。
これで不透明マスク内のマスクオブジェクトを編集することができます。

②のオブジェクトより大きく長方形を作成し、その長方形にグレースケールのグラデーションをかけます。
※白いほど不透明度になり、黒いほど透明になります。

不透明マスク内の長方形に効果でテクスチャをかける

ここでは「効果」>「テクスチャ」>「粒状」でテクスチャをかけています。
粒のザラつきはお好みで。

「透明パネル」の左側のサムネイル枠を選択し、通常モードに帰ってくる。

これをしないと不透明マスクの編集モードから戻ってこられません(インターフェイスに変化がないので慣れないと戸惑います)。

グラデーションや粒状の大きさ等を再編集したい場合は、「透明パネル」の右側のサムネイル枠を選択し不透明マスク内のマスクオブジェクト編集モードに移動してから、長方形を選択して編集します。

これをパーツごとに作業していくと冒頭のようになります。

iPadのProcreateで同じような絵を描く場合に比べて作業時間はかかりますが、どうしてもベクターデータで作業したい場合に。