会社員で個人事業主③ | 健康診断のすすめ

今回の記事は健康診断についてです。
会社員は労働安全衛生法第44条により会社が健康診断を実施することが法律で定められているので、皆さん毎年健康診断を受けていると思います。
しかし、義務が発生しない個人事業主の場合、健康診断をしている人はそこまで割合が多くないのではないでしょうか?
よくない!

定期的に健康診断をするメリット

  • 自分の身体の健康の傾向を知れる。
  • 引っかかった項目は精密検査を受けることにより、なんらかの疾患があった場合に早期発見につながる。
  • 病院にかかり慣れる。

それぞれ細かく触れていきます。

自分の身体の健康の傾向を知れる。

若い頃は徹夜して遊んでも、飲み過ぎてひっくり返っても、無茶な食生活をしてもへっちゃらだったかもしれません。ですが、年を重ねるごとに、というか30代以降は「落とし穴かな?」というくらいガクッと身体のあちこちにガタが来るし、不具合は連鎖します。
このガタが来る箇所は、仕事柄だったり遺伝だったり性別だったりで、人それぞれ千差万別。ストレスで胃腸に負担がかかる人、飲酒の習慣で肝臓に負担がかかってる人、血圧が高い人、コレステロール値が高い人ーーー。
病院にかかる手前の段階で自分自身の身体の健康の傾向を把握し、事前にケアできることもありますよね。

引っかかった項目は精密検査を受けることにより、なんらかの疾患があった場合に早期発見につながる。

極端な例かもしれませんがーーー、
私の非会社員の知り合い達は病院嫌い・西洋医学に不信感を持っている人が多く、よっぽどの事態(要するに手遅れの状態)にならないと医者にかかりません。その結果、日本の平均寿命よりだいぶ寿命が短い印象があります。
別の知り合いは人間ドックで大腸ガンを早期発見し、手術でポリープを切除し、今は元気で家族と過ごしています。
私の姉は子宮筋腫が超巨大化し救急車で運ばれた先で、さらにくも膜下出血になりました(なぜ……)。

病院にかかる・かからないは当人達の生き方・死に方ですから、本人や家族が後悔しないのであれば、そのことについてとやかく言うつもりはありません。
自動車で例えますが、エンジン音がおかしい、ブレーキングのときの反応がおかしいなどの兆候を感じたらすぐに修理工場に持っていくか、走行できなくなるとこまで乗り回すか(当然事故の可能性も出てきます)、早めに対応できて簡単にコトが済むならその方がよくない?ということです。

大病に至ってしまうと仕事も休む必要があります。
会社員であれば、仕事の穴埋めも会社で対応しますし、有給休暇を使ったり、会社で加入している健康保険からの傷病手当金が給付されたりと何らかの補償がありますが、個人事業主・フリーランスでは金銭的にも仕事的にも致命的なことになりかねません。

病院にかかり慣れる。

病弱な人は何度も病院にかかっているので、自分の体調次第ですぐに病院に行きますし、なんなら自分で救急車を呼んで玄関の鍵を開けておいて脱がしやすいように薄着になって健康保険証・連絡先のメモも用意して玄関先で倒れているまでできる人もいます。
しかし、健康な人ほど、どの段階でどの病院にかかったらいいのか、何科にかかればいいのか、会計は? 荷物は? 医者ってこわい? など分からないことだらけで、「寝てれば治るか……」と病院に足が向かないことも。
健康診断、精密検査は病院にかかる訓練でもあると思って、社会科見学の気分で病院に行きましょう。イラストレーターなら良い取材にもなりますよ!

かかった費用は確定申告で医療費控除に!

フリーランスの場合、なんらかの協会に加入している人以外は国民健康保険かと思います。
札幌市では市在住の国民健康加入者に「とくとく健診(特定健診)」の受診券が送られてきます。料金も自費負担はありますが、結構市が負担してくれていますよ。


また、自分で病院を選んで健康診断を申し込むこともできます。料金に関しては各病院のHPを確認してください。

残念ながら個人事業主は健康診断の費用を経費として計上することができません。
しかし! 健康診断のために負担した金額はセルフメディケーション税制として、医療費控除が適用されます。(ちょっとややこしいですよね😅 )



自分の身体をメンテナンスしつつ節税にもなる。どうだ! 確定申告で必要となるため領収書と結果通知表の保管は忘れずに。
ところで、とてもありがたいこのセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)、令和8年12月31日までの期間限定なのはなぜなんでしょう? ずっと継続してほしい……。

どこで健康診断を受けるか

健診場所を選べるのであれば、各科での待ち時間はかかりますが総合病院をオススメします。婦人科まで移動無しで検査終えられるのもポイント。
民間健診センターや区民センター等で開催される集団検診の方が流れ作業で各診察をしてもらえるので、かかる時間は短いのですが、婦人科は別の病院でというパターンが多いです。

私は実際に総合病院、検診センターの双方で受けたことがありますが、バリウム検査の本気度が全然違いました。
健診センターでは言われるままにゴロゴロ転がって終わりだったのですが、総合病院ではちゃんと胃が映るよう胴の角度や位置など細かく指示(というか手で支えられた)されました。調べられる胃の状態もだいぶ精査度が違うんじゃないでしょうか?

結果が来て精密検査を受けことになった場合も、健診センターで健康診断を受けたらその検診センターではなく別途病院に行く必要があります。その時は胆のうが引っかかりましたが、行った先の病院ではあまり健診センターの検査を信用していないようで医者に軽くあしらわれながら精密検査を受けました。
総合病院なら申し込めばその病院で精密検査を受けられます。今回、貧血で引っかかり消化器内科を案内されましたが、バリウム検査時の胃の写真、子宮がん検診のオプションで勧められて受けたエコー検査の写真が病院のデーターベースにあるので、すぐに内科の先生が「胃かいようや子宮が原因ではないようだ」と状況を把握できてスムーズでした。

各検査を受けた所感

検査内容は年齢や受ける検診によって異なりますが、私が受けたときの感想です。
服は念の為、脱ぎ着しやすい服装で行きましたが、検査用の服が用意されていてそれに着替えました。

検便 家で2日分採取してきます。検査前の第一関門ですね。がんばれ!
血液検査 いつも献血を受けているので慣れたもの。刺して抜いて終わり。
血圧検査 機械に腕を突っ込んで測定します。高めに出ちゃうときは深呼吸して心を鎮めましょう。
視力検査 メガネ作るときの検査の簡易版な感じ。
聴力検査 ヘッドホン付けて「聴こえたらボタン押してね」ってやつです。子供のころ受けたなぁ。
眼圧検査 目に風を吹きつけられます。一瞬なので「不思議なことされた……」と思われがちな検査ですが、緑内障の検査だそうです。
尿検査 紙コップを渡されて病院のトイレで採取します。なので検診の前にトイレに行かない方がいいです。
心電図 ここら辺から本格的に検査されてる気分になってきます。胸、両手足首に電極を付けて心臓の動きを測定します。痛みとかは全くないので大人しく横になってればすぐ終わります。
腹部超音波検査 腹部にぬるぬるしたジェルを塗りつけられ探触子でぐりぐり検査されます。終わったあと拭いても拭いてもぬるぬるしてるのが嫌なくらいで、横になってお腹を膨らませたりしてるだけで終わります。
胸部X線検査 検査士の指示にしたがって息を吸ったり止めたりしながらレントゲンを撮ります。『あ、今ちゃんと息を吸ってなかった……』とかあるんですが、何回かやってる中でちゃんと撮ってるようです。
胃バリウム 40歳以上は必須になってくる胃がん検診。悪評ほどバリウムは不味くはないですよ。発泡剤は喉の奥に流し込み一気に飲み込みましょう(口の中で発泡されて泡吹いちゃうため)。
検査士に言われるままゴロゴロして撮影します。結構ゴロゴロするので子供なら楽しいんだろうけど、こっちは中年だしなぁ。
検査後に下剤をもらいます。病院やビル、大きい商業施設のトイレは水圧が高いので、そこで済ませられたら済ませた方がいいでしょう。バリウム剤は重いため、家のトイレだとちゃんと流れずしばらく居座られます。
問診 お医者さんとお話しします。大体「酒の飲み過ぎだよね」とか言われて終わります。
乳がん検診 マンモグラフィと乳腺エコーが選べます。乳腺エコーは腹部超音波検査の胸バージョンです。マンモグラフィはバリウム検査以上に評判の悪い検査で、獣医に連れていかれる犬みたく凹んで行きましたが、思っていたほど痛くはなかったですね。
子宮がん検査 頸がん、体がんとありますが、どちらも細胞を採取し検査にかけます。痛みが伴う検査になりますが、早期発見しときたい箇所なので定期的な検査がマストでしょう。
若いと婦人科にはかかりたくないかもしれません。婦人科の先生からしたら内診も「風邪? のどちんこ見せて、あーん」くらいの感覚だし、女性なら100%逃れられないので慣れましょう。

前提として、当然この健康診断だけで全ての病気が発見できるわけではありません。
ですが、節約したいならまず家計簿を付けてお金の使い方を把握する、ダイエットしたいなら摂取カロリーや運動で消費したカロリー、体重、体脂肪を毎日記録してみる、こういったことと同様に健康と自分の身体を把握していきましょう!