今年の夏は毎月どこかへ行っては出先で仕事をしていたので、ひとつの記事にまとめました。
目次
7月:三陸の実家編
いきなりですが半分介護だったり家族の世話で帰省するのに「ワーケーション」という呼称はどうなのか。全然バケーションじゃないんだけど。今後こういう人は増えていくと思うので良い言葉ができるといいな。
今回の帰省の主目的は長姉の障害年金の申請でした。
長姉が申請したがダメだった、不受理なのか不支給なのかは謎。断片的な情報を伝えてくるのですが、こちらが踏み込んで聞こうにもプッシングすると(されたと向こうが感じると)軽くパニックになるのでNG。余計な愚痴が延々続くハメになります。中高齢者の愚痴は聞いてるこちらもダメージ喰らうので回避したいところです。
通知書をコピーして郵送してくれれば話は早いのですが、半身が不自由でコピーを取りにコンビニまで歩いて行くのも大変、郵送のため近所の郵便ポストに行くのも半年前そこで車に轢かれてからちょっとトラウマになってて怖い、とそれすら無理。
帰省して向こうのペースを崩さない状態で状況を把握するのが一番手っ取り早いという。
実家での仕事環境はこれまでの帰省で整えているので問題なし。
暑さも三陸なのでヤマセ(海から吹き寄せる霧状の冷たい風)が来るので問題なし。
当時の業務も穏やかなスケジューリングで、家族の通院や買い物の送迎で中座するのも問題なし。
帰省し長姉に日本年金機構からの通知書を見せてもらいます。
障害基礎年金で申請していたので、「障害等級1級または2級に該当せず」と記されていました。不支給ですね。
次姉が障害厚生年金で3級だったので長姉も3級あたりかな? 基礎年金だと3級の支給はないので不支給となります。とはいっても就労支援の月1、2万の給料で生きていけってことなので、制度を見直ししてほしいなぁ。
というわけで主目的が無しになりました。
しかししかし、やることはコマゴマとたくさんあります。
草むしりしなきゃ、普段締め切ってて家中の空気が澱んでいるので換気したい、急に町内会や配達の集金が来るからお金用意しなきゃ、家族がショートステイや就労支援施設に出て留守の間に台所を掃除したい、パントリーぐちゃぐちゃやんけ、風呂を掃除しなきゃ、洗濯槽もきれいにしたい、掃除機かけたい、窓も汚れてる、窓のサンにカビ生えてる、前回設置した除湿用の炭を集めて日干しし元の位置に戻したい、不用品をゴミ焼却場へ搬入したい、次姉の残りの同人誌を回収に出したい、100均やホームセンターで必要なもの買いたいーー家の中で顔の向きを変えるたびに『あ、あれもしなきゃ』が目に入り誠に気忙しい! 頭の中がTo Doで満杯になり物忘れも増えます。
アワアワしててもミスを連発するだけなので、今回メインで取り組みことを庭の草むしりに絞り、残りは無理のない範囲でやることにしました。
家の周りに生い茂ったドクダミを長ハサミで刈り込むと草の影にいたわらじ虫達が「わー!」と逃げ惑います。私が刈り込まないと長姉が除草剤を撒いて死の大地にしちゃうのよ、それよりはマシでしょ? 許せ。
空き家となっている隣家からツタが侵略してきており、合わせて大きいゴミ袋に7袋の収穫となりました😐
期間中、息抜きに隣村(父方の実家)の野田村へドライブに行きました。
アジア民俗の館を訪問し、一部で有名な民宿「苫屋」でランチをし昔の農家は各家で豆腐作ってたとか聞いて(帰ってから父に聞いたら父の実家でも昔は豆腐作ってたそうで。初めて知ったよ)、マリンローズの採れる玉川鉱山の入り口で坑道から出てくる冷たい空気を「涼しいwww ここでワーケーションしたいw」と遊び、存外にリフレッシュしちゃいました。
小さい村なんですけど素朴でめんこくていいとこだなぁ。
8月:道北 留萌編
ここ数年、毎夏行ってる留萌。今年は土曜にビーチでキャンプ、日曜は知人宅に泊まりました。
週末ガッツリ遊びますが月曜は仕事があります。月曜は午前だけ働き、午後は半休で日本海沿いに札幌に帰るスケジュールです。
キャンプは留萌の鮮魚店で買った宮城の牡蠣(なんでや)をBBQにしたらめちゃくちゃ美味く大騒ぎ、湾の向こうに隣町の花火大会が始まり可愛いサイズの花火を愛で、その後のマイマイ蛾の大量発生でキャンプ場全体が大騒ぎ、翌朝色んなとこに潜り込んで産卵&死んでいるマイマイ蛾を発見しては友達に泣きついて取ってもらって、とso much memoryなキャンプとなりました。
翌日、友達を誘って増毛観光へ。
旧増毛駅を中心に、自分で組み合わせる海鮮丼、エビ汁、国稀酒造(最北の酒蔵)、増毛のりんごを使ったアップルパイ、生フルーツソースのふっわふわかき氷、ギリ旬だったさくらんぼの産直所、と小さな町にコンパクトにお店が固まっていて、想像以上に町歩きをエンジョイ⭐️ 増毛は漁業と果樹と日本酒が特徴の町で余市に似ているところがありますね。
留萌で泊めてもらう知人宅へはアップルパイをお土産にしました。
月曜日は道の駅るもいにあるコワーキングスペースへ。ここはなんとスマートモデューロ!
ここで問題が。昨日の増毛でテンション上がり過ぎて現金がほぼ使い切っていました。銀行のカードはうっかり家に置いてきちゃってる。でもビジネスユースの施設だからクレカは使えるのは当然よね?……いやいや管理は道の駅併設の観光協会だしクレカ非対応では?……どっちだ?!
HPにはクレカに関する情報は掲載されていません。行ってみるしかない。
はたして、
クレカNGでした。コワーキングスペースは諦め、車の中で仕事開始です。ポータブル電源もWiMaxもあり気温も夏なのに丁度よく、なかなか快適に作業できました。でも半日で正解ですね。それ以上はキツそう。
午後は帰路に着く前に友達と再合流し、もう一度増毛に行って再度かき氷をキメます。かき氷代くらいは現金が足りて助かった。。
帰札後、ポータブル電源とセットのソーラーパネルが使えなくなり、メーカーに問い合わせて保証期間だったので新品と交換してもらいました。口コミとか色々検索したらソーラーパネルは「寿命3年」ってことらしいんですが、防災にも使いたいものが寿命3年って肝心なときに使えない可能性高くない??とモヤモヤ……。
9月:九州 阿蘇編
以前綾部にいた友達家族が阿蘇の麓の小さな集落に移り住み炭焼き職人になり、そこへ訪ねて行きました。以前は1歳だった長男くんも3歳に。その集落には友達家族以外にもご縁のある方々が住んでいます。再会が楽しみ❤️
一点懸念が。9月中旬とはいえ九州はまだまだまだまだ真夏。天気予報アプリで確認すると最高気温が連日平気で35度とかあります。友達の住んでいるところは山なので市街地よりは涼しいらしいけど、北海道在住の私にとっては未曾有の暑さ。大丈夫か、私?!
九州滞在の1週間は全期間有給休暇を取りました。せっかく阿蘇まで行くんだしね。しかし個人案件はクライアントのニーズ次第でいつでも連絡が来るので、作業できる体制を整えて旅立ちます。
むしろ出発前にイラストのテイスト出し、ショップカードの発注と依頼が舞い込み、慌ただしく片付けました。
九州に着いてから選挙を控えて動きが活発化しているクライアントからサイト更新の連絡をいただきました。山なのでWiMaxはエリア外ですが、Y!mobileはエリア内だったのでiPhoneのテザリングでネット接続。
寝泊まりは友人宅の隣の使われていない古民家の中でテントを張ってもらいました(蚊帳代わりってとこ) 作業もこのテントの中です。視界には九州の夏の緑と青い空。最高。途中、家の中に近所の知人に骨董品の掛け軸を大量に陰干しされて不思議空間に😅
ここでの作業も数時間程度だったのであぐらでこなせましたが、もっと長時間なら机と椅子が欲しくなってましたね。
朝は5時起きで湧水で顔を洗い、集落を下り知人の畑作業や犬の散歩の手伝い、坂道を登ってふらふらしながら帰って3歳の長男くんと遊び、夕方は4時くらいから友人とビールを飲みだし、19時には各自寝床へ移動(2日目に飲み過ぎて失態をやらかしたので、以降私なりにお酒は控えめにしました) 夜は外に出ると満天の星! 目が悪い私にも四等星、五等星がはっきり見えるくらいクリアな星空でした。さすが山!
集落の草刈り日には直会(なおらい)に混じりご年配たちから子供の頃の集落の話を聞かせていただきました。これも一応「地域交流」かな。こういうのって聞きたいと思ってもそうそう聞けるものじゃないので貴重ですわ〜〜。
九州の残暑は激烈でした。集落の皆は「お盆時期より暑い」「残暑どころか真夏!」と言っていました。それでも古民家の軒は広く、灼熱の日差しを防いでくれていました。また豊かな山の木々の影から吹いてくる風はヒンヤリしていて、実際の温度ほど暑さを感じませんでした。昼食後のお昼寝がよかったのかも。暑い地方ではその気候に合わせた過ごし方ってあるんですね。
期間中はずっとその集落で過ごしましたが、最後の日は熊本の反対側、水俣へ連れて行ってもらいました。ちょうど集落に水俣にご縁があった人がおり、その人のツテを活用させていただきました。
「苦海浄土」という本を買い、あまりに悲惨な事実の数々に途中で読み進めることができなくなっていたんですが、恐ろしい公害が起きた土地、重篤な障害をおった人たちーーというイメージだけではなく、”今”の皆が日々生活している水俣を訪ねたいという私の希望もあり、お寺に行き、地元の人とランチをし、温泉に行き、ゆっくりお話をしながらの半日水俣滞在となりました。長男くんも一緒に来ていたので彼の中では「水俣=美味しいものをお腹いっぱい食べて皆で温泉入った楽しいところ」というイメージになったろうなぁ☺️
10月:道央 白老編
ウポポイで友達がイベント出展するため、子守という名目で同行しました。
インバウンドが戻ってきてから北海道のホテルはいつもどこも満室&高値! 良心的なお値段のままの白老のゲストハウス「haku」のHPを毎日チェックし、どうにかファミリールームを押さえました。
日中&夜は遊んでるので、早起きしてゲストハウスのラウンジで作業。近くのソファーには酔いつぶれてそのまま寝てしまった二風谷の若手がいますが😅
ふりかえり
一人暮らしで完全リモートワークだと視野が狭くなったり感受性が鈍ってきがちです。精神も体も、自分とモニターだけの「硬直」した状態になってしまいます。
外に出て、老若男女、上は90代、下は生後半年、様々な地域、営み、ライフステージの人たちとリアルに接することで、世界を横(社会的・地理的に)だけじゃなく縦(歴史)でも感じることができました。
とはいえ、ワーケーションにセット扱いされがちな”素晴らしいプラン”は特に必要ないんですよね。訪ねた先の生活のリズムの中で一緒の時を過ごすだけで十分です。それこそが尊いと思うタイプなので。